CX-8に乗ったことがなかったので試乗してきました。
例のごとく忘れていたので、写真は1枚も撮っていません・・・。
大前提、SUVはそもそも好きでない
SUVは全体的にずんぐりとしたカナブンスタイルなのがネックとなり、今ひとつ好きにはなれません。
しかし!
CX-8はカナブンスタイルではあるものの、後ろに長いので、ほぼステーションワゴンに見えます。カナブンというかカブトムシのような見た目ですね。
CX-5と比べて、全長35センチ伸びるだけで、完全に別ものに見えるので不思議です。
あれ・・・
SUV嫌いだったのに・・・・
実は・・・モデルチェンジしたCX-5は、他の車よりヨーロッパテイストが強まり、落ち着いた大人な感じだったので、他のSUVよりも好感を持っていました。
それからのCX-8発売なので、気にはなっていました。
CX-8の走り
ホイールベースが結構長いですが、曲がるときも極めてスムーズです。お尻が遅れるような感じはありません。
ロールしているのでしょうが、ロールする感じをあんまり感じません。
「カーブ楽しみにしてて下さい♪」
と、営業さんが言った意味がなんとなく分かりました。
結構すごい!
Gベクタリングのおかげでしょうが、Gベクタリングをオフにできないので分かりません。介入した感じも分かりにくいぐらい上手にエンジン出力を調整しているのかもしれません。
ただ、Gベクタリングはステアリングには介入しないらしいので、きっと私の運転スキルの高さなのでしょう。 ・・・違うか。
次に営業さんに
「もうすぐ坂道なので楽しみにしてて下さい♪」
と言われました。カーブですごく良かったので期待は高まります。
「いざ、坂道!」
・・・
残念ですが、坂道では今一つ力不足でした。
そもそもCX-5よりも重量があり、CX-5と同じ設定のエンジン(正確には改良されているので性能的には少し上)を搭載したCX-8なので、走りではなく大人数で乗れたり、大量の荷物を載せることができる車です。
なので、坂道では期待はできませんが、街乗りなど平地での加速には不足は一切ありません、むしろ十分すぎます!
CX-8の乗り心地
乗り心地は大変良いと思います。
しっかりとしたボディなのでしょうね。足回りはモード切替えがないのでスポーツモードやコンフォートモードなど変更はできませんが、足回りは柔らかめで乗り心地は良いです。
(2019/04/30追記)納車時は結構固めな足回りですが、3000キロ程度乗ると柔らかめになります。試乗車の走行距離は要チェックです。
色々加味すると、走る楽しさは80点ぐらいでしょうか。とりあえず、CX-5の様にキビキビ動く、マツダの求める真の「走る喜び」は感じられないのかな、と思います。
ただ、SUVといえども、7人乗りのファミリー向けの車だと思うので、これは現在ある選択肢でベストな選択だと思います。
タイヤは、トーヨータイヤの PROXES R46 ですが、なかなかの性能だと思います
まさに、ちょうどイイ!
CX-8の3列シート
注目の3列目シートですが、補助いすというレベルではなく、ちゃんとした座席です。ミニバンの簡易な映画館の椅子のようなものとは一線を画すものです。
ただ、180センチの私が座ると天井に頭がぶつかり、膝を2列目の上部に上げて座らないと座れない状態です。
7人乗りですが、2列目のベンチシートはきちんとリクライニングします。18度追加で倒れます。倒れる椅子と倒れない椅子とでは雲泥の差があります。新幹線の座席がまさにそうですね、ちょっと倒すだけで天国になります。
室内は驚くほど静かです。3列目の話に戻りますが、試乗中に子供が運転席の私に話しかけきました。後ろはどのように座っているのか把握していませんでしたが、割とはっきりと聞こえたので、2列目に座っているのかと思いましたが、実際は3列目でした。それぐらい静かです。
3列目と会話できるのは、外の音をしっかり遮断して静かにしているためで、エンジンの音も気にならないレベルです。実際エンジン音はかなり静かで外にいても気になりません。
フロントを開けて見せてもらいましたが、フロントにはしっかりと分厚目な防音材が入っていました。これだけ室内空間を静かに保つには結構な費用をケチらずに掛かっているのではないかと思います。
CX-8の安全性能
そして3列目について一番強烈に印象に残るものがあります。正直これだけで購入優先順位はトップに躍り出ます。
それは後方衝突性能。マツダは後方からの追突に真剣に取り組んでおり、1400キロの小型車という条件はありますが、80キロで衝突されても2列目と同じ生存率を確保しています。
ほとんどの後方衝突事故が80キロ未満で起きているので、それなりの確率で生存できる可能性が高まります。
日本で販売している車では、マツダCX-8、ボルボXC-90だけ、真剣に3列目の安全性を検討しているようです。他社はアピールしていないことを考えると、後方衝突での3列目の生存確率はかなり絶望的なのではないでしょうか。
もしかすると安全性はある程度確保されているものの、情報が出回っていないだけということもあるので、あくまで可能性の話としてとどめておきます。
数々の高級装備
CX-8はこれでもかというぐらい、てんこ盛りの装備が標準で盛り込まれています。これだけの装備をトヨタ車が実装すると700万円を超える高級SUVとして売れるのじゃないかと思います。
私がイイなと思った装備を見てみます。XDプロアクティブの標準装備ですので、XDやXD Lパッケージは異なる部分があります。
間違いや勘違いなどあるかもしれませんので、ご検討の際はパンフレットなどをご確認ください。
セーフティ関連装備
SRSエアバッグシステム(フロント/セカンド/サードシート用)&フロントサイド
フロントサイドエアバックが標準装備なのがいいですね、万が一の事故もサポートしてくれます。
アドバンストスマートシティブレーキサポート [前進時](アドバンストSCBS)&AT誤発進抑制制御[前進時]
車載カメラで前方を監視し、車両4km/h、対人10km/h以上で自動ブレーキをかけてくれるそうです。誤発進、急発進を抑制してくれるそうです。万が一の時にサポートしてくれるのはありがたいです。
スマートシティブレーキサポート [後退時](SCBS R)&AT誤発進抑制制御[後退時]
作動条件は今はよく分かりませんが、バック時は自動ブレーキは効かないらしいのです。まぁ、「全部自動で安心だ!」みたいなことは思わないので何でもいいです。万が一の時に作動すれば儲けものでしょう。
リアパーキングセンサー(センター/コーナー)
クリアランスソナーがついているのでぶつける心配はありません。オプションではなく標準でついているのです。
ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)*リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)機能付
車線変更時に隣の車線の死角に車両がいないかしっかりサポートしてくれます。できる限り室内ミラーとサイドミラーでちらちら見ていますが、車線の多い道路だと気づいたらサイド後方に車がいて、ドキッとすることがあります。これがあれば心強いですね。
レーンキープ・アシスト・システム(LAS)&車線逸脱警報システム(LDWS)
たまにふらっとはみ出すことがあるのでサポートしてくれるのはありがたいです。まあ、そんなに高頻度では作動することはないと思います。試乗では作動しませんでした。
ヒル・ローンチ・アシスト(HLA)
何気にあると便利な高級装備、少し前までレクサスでもある一定グレード以上でないとなかった装備ですが、オプションではなく標準で普通についているのはいいですね。
軽い坂道では恩恵は薄いですが、急な坂道だとブレーキからアクセルに足を移動する一瞬で大きく後退するので恩恵を感じます。
アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
ハイビームにするとそのままにしてしまうことが多い私としては最高にありがたい機能です。対向車や先行車両の位置により切り替えてくれるわけでハイテク装備ですね。
交通標識認識システム(TSR)
車載カメラで交通標識を読み込んで、後ほど出てくるアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示してくれます。制限速度やら色々表示されるのでより、わき見運転が減り、より安全運転ができるようになります。ありえないすごいハイテク装備ですね。
360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー
「360度ビューモニター」「電動リアゲート」「サンシェード」の3点セットを11万円でつけることができるお得なオプションがあります。
360度ビューモニターは当然つけないともったいない。CX-5ではついていないCX-8のオプションです。
複数のカメラ映像を合成して、車の上からの360度映像を表示してくれます。タイヤの角度も表示されているので分かりやすいです。これで車をどこかにぶつける危険が大幅に減ります。
他にもフロントカメラで見通しの悪いところ(両サイドが民家の塀で囲まれた道路の交差点など)で大活躍です。車の頭をちょっと出すだけで左右25m先が見えるのでかなり安全です。
また後ろにもカメラがあるので同じく後方の左右も25m見ることができます。背の低い子犬が歩いてきていても分かるレベルです。前方駐車したときの車庫出しで大活躍すること間違いなしです。
画面が小さいのが唯一残念な点です。
オートホールド
ブレーキを踏んで停止した時した状態で、ブレーキから足を離しても停車状態をホールドされるので、くしゃみをしたときでも勝手に進んでしまうことがありません。くしゃみは1度に5回以上でる派なので大変助かります。
ヒルローンチアシスト(ヒルスターター)
もう当たり前のように装備されているのですが、少し前はレクサスのある程度のグレード以上でないとありませんでした。坂道でブレーキを外してもホールドしてくれるので助かります。
視界
ヒ―テッドドアミラー
オプションではなく標準で普通についているのはすごいですね。あまり必要な場面はないのでなくてもいいですがあれば何かと便利ですね。
自動防眩ルームミラー
こちらもオプションではなく標準で普通についているのはすごいですね。夜間高速でやたらまぶしい車が来た時に役立ちます、なかなか活躍の機会はないと思いますが、あると便利ですね。
オートライトシステム
もうほとんどの車に搭載されていると思います。ただ、高速速でトンネルに入ると、搭載していない車は一定数います。割と高級車でいます。安くない車に多いのでベースグレードなのだと思われます。
マツダ車はベースグレードでもかなりの装備が整っているのがイイですね。
レインセンサーワイパー
これもオートライトシステムに同じ。オートライトシステムほどにはまだ普及していないと思いますが、増えていると思います。
ただ、思った通りに動かないのと、エンジンの切り忘れで洗車のタイミングで勝手に動いて壊れる危険があるので要注意。
リアウィンドーサンシェード
かつては高級車にしかなかったものですが、最近はヴォクシーなどミニバンにも標準搭載されています。
CX-8 プロアクティブだとオプションになりますが、ルーフレールと電動リアゲートの3点セットで11万円というお得セットでつけることができます。
電動リアゲート
高さのあるリアドアなのでボタン一つで自動開閉するのは大変便利です。イージークローザーなので半ドアがないのがいいですね。巻き込み防止のセンサーもあるようなので安全とのことです。
インテリア
ステアリング・シフトノブ本革巻
当然といえば当然ですが、きっちり革巻きです。
7インチWVGAセンターディスプレイ&コマンダーコントロール
ディスプレイが小さいです。360度ビューモニターなど映してもだいぶ小さいので残念です。オプションでもう少し大型のものを設置できれば迷いなく選ぶのにないようです。
フロントシート 運転席パワーシート
10wayパワーシートです。電動シートは珍しくなくなりましたが、腰部分の張り出し位置を調整できるランバーサポートまで搭載しています、完全に高級車ですね!
フロントシート シートヒーター
XDプロアクティブには、フロントシートにヒーターが標準でついています。ファブリックシートなので必要性は薄いですが、寒い冬にはあると最高に贅沢装備です。
3ゾーン対応フルオートエアコン(花粉除去フィルター付)
後席にちゃんとエアコンがついています。
ナビゲーション
サイドカメラ
サイドカメラまで標準装備とはすごいですね。これのおかげで360度ビューが作成できるわけですね。
アクティブ・ドライビング・ディスプレイ(フロントガラス照射タイプ/カラー)
これはすごいですね、ガラスに速度や標識が移ってますよ・・・。
CX-5のカタログの写真ですがこんな感じです。基本的に前だけ向いていれば大丈夫、安全運転に貢献します。
シャシー、メカニズム
電動パーキングブレーキ(EPB)
電動パーキングは素敵です。アクセルを踏めば自動で解除されるので解除し忘れがありません。結構かけたまま走ることがあるので助かります。
タイヤ&ホイール
19インチ
XDだと17インチになりますが、プラス30万円程度の追加で、XDプロアクティブにすると19インチとなります。
安全装備やら色々考慮して十分元を取れているところに、ホイールを19インチにしてもらえるなんて最高ですね。
CX-8スペック
ここでやっとスペックです。
スペック
- 全長 (mm)・・・4,900
- 全幅 (mm)・・・1,840
- 全高 (mm)・・・1,730
- ホイールベース (mm)・・・2,930
- タイヤサイズ・・・225/55R19
- 最小回転半径 (m)・・・5.8
- エンジンタイプ・・・SKYACTIV-D 2.2
- エンジン種類・・・水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ
- エンジン総排気量 (L)・・・2.188
- エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm)・・・140〈190〉/4,500
- エンジン最大トルク (N・m<kgf・m>/rpm)・・・450〈45.9〉/2,000
- タンク容量 (L)・・・72
- JC08モード燃費 (km/L)・・・17.6
- 使用燃料・・・軽油
環境負荷が少ないCX-8
昔のディーゼル車のイメージからか印象が悪いです。環境負荷が高い車と思われますが、車の材料から始まって廃車になるまでのライフサイクル、燃料の生成から燃焼後の排気ガスまでのライフサイクルで考えると、ハイブリッド車よりもCO2排出量が低いというお話もあります。
本当かどうかは分かりませんが、もしお本当であれば、環境のことを考えてディーゼル車への乗り換えという、今までのイメージでは考えられなかったサイクルが生じるのかもしれません。
NOXは当然ガソリン車よりも多くなりますが、フィルターで除去するので問題ないようです。
(2019/04/30追記)マツダのクリーンディーゼルは、アドブルーなどは必要なく、維持費安くなります。一方で短距離乗られるのがメインですと、エンジンの煤問題に悩まされる可能性があるので要注意です。
コスパの良い自動車税
CX-8は3L並みの加速だと感じますが、エンジンは2.2Lなので自動車税は「2.0L超~2.5L以下」の45,000円です。
大型な高級車に見えるCX-8をグイグイ引っ張るトルクフルな走りに対して、自動車が安く抑えられるので大変お得感があります。
各種免税
CX-8はエコカーなので、自動車取得税および自動車重量税が100%免税となります。 正確にはエコカー減税は終了したので、現在は経過措置のようです。
CX-8のデメリット
室内空間が狭い、スライドドアでない
ミニバンではないので、床が低くなく室内を歩けるほど広くはありません。
シートもしっかりしているので跳ね上げ式の椅子ほど空間を確保できないので、荷物もミニバンほど詰めるわけではありません。
また、ファミリーカーとして必須の電動スライドドアがありません。 これがないという理由で、CX-8が却下されるケースは多いと思います。
CX-8とミニバンは同じ7人乗りでも完全に別の乗り物になりますが、7人乗りを求めているという購入層はかぶるので、どちらを買うかは迷うところです。
コスパが良くても価格が高い
CX-8ですが、それなりのグレードでオプションを付けると、乗り出し400万円を超えるので結構高いです。
300万円台で変えるミニバンとしてヴォクシーがありますが、ヴォクシーの最上級モデルZS煌と比較すると、値引きを考慮しても一回り高いことが分かります。
・CX-8 XDプロアクティブ
合計・・・405万円(SDカード、フロアマット、ETC)
値引き・・・15万円、真ん中グレード
乗り出し・・・390万円
・ヴォクシーZS煌
合計・・・380万円(10インチナビ、フロアマット、ETC)
値引き・・・50万、最上位グレード
乗り出し・・・330万円
CX-8とヴォクシーの価格差は60万円程度あります。
燃料代と低燃費を考慮しても5万キロ走っても、10万円行かないぐらいでしょう。仮にCX-8の燃料代アドバンテージが10万円だとしても、差額は50万円で埋まりません。
ただ、てんこ盛りの安全装備と快適装備がついているので、実質50万円の差は余裕で埋まっていると感じます。50万円で安全が買えると考えると、ものすごい安く感じるのは私だけでしょうか?
そうではないと思います。
リセール
上記で比較したヴォクシーのリセールは驚くべきものです。まだ発売されたばかりで不明な点も多いですが、CX-8はヴォクシーには及ばないと思われます。
やはり、自動スライドドア、室内空間の広さの2点がある点では、ヴォクシーのリセールには届かないと思います。
ただ、CX-8は走りにこだわりがあるが、7人乗りたいというミニバンでは実現しない領域をカバーしています。ここの需要は結構あると思うので、それなりに良いリセールを期待できると信じています。
まとめ
SUV好きになっちゃいました!
そして、CX-8は完全におススメでした!