そんなときどう答えるか?
よく「予習をすることで何が分からないか分かり、授業での理解が進みます。授業が復習のようになり理解が身に付きます。」
的な回答がありますが、一体どんなハイレベルな生徒向けに回答しているのか、という感じです。
そんなことができる生徒は上澄みの一握りであり、その答えを全員にすることは不適切です。
予習・復習どちらが大切かは、相手の学力により全く変わってくる重要な問題です。適当で正しいアドバイスを受けたいものですね。
予習を重視すべき生徒
さっき書いたように、自分で教科書なりを読んで理解し、分からない部分が分かる生徒は予習すべきです。おそらく予習で8割以上理解できていると思います。
さらに予習するときに、間違った理解をした確率は5%以内で、実際に授業を受けることで間違いに気づき100%正しく理解できるはずです。
これができる生徒というのは、基本的に塾や予備校は不要なレベルです。もし塾や予備校に行っている場合は、超効率的に試験に出る部分だけをピンポイントでやって、大学合格率を大幅に上げたいという目的だと思います。
ただし、そんな生徒が、予習を重視するといっても予習と復習にかける時間の割合は、合計10時間あったとすると以下の割合にします。
- 予習:1時間
- 復習:9時間
予習はおまけみたいなものです。復習の方が圧倒的に学力の定着が高いです。
話は簡単で、全然内容の知らない本を読むときは注意して一字一句気を配りますが、既に内容を知っている本だと、面白い部分は既に分かっているので、それ以外は流し読みをするかと思います。
一字一句気を配ると時間がかかりますよね?勉強は時間よりも何回同じことやったかで決まります。
英単語で以下のような長い単語があります(これは受験には出ません)。
floccinaucinihilipilification
フロクシノーシナイヒリピリフィケイション
どうでしょうか、1回では覚えれませんよね。5回目では覚えれたでしょうか?
まだ無理ですよね。20回ぐらい読めばそろそろ言えるようになってきたのではないでしょうか?
こういうことです、繰り返すことが必要なわけです、繰り返すには速い時間でやらないと日が暮れますよね。
短い時間で繰り返す・・・つまり復習が大事なわけです。のろのろと時間をかけて予習するのはもったいないのでかける時間はわずかでいいです。
※矛盾しますが、大学になると予習にすべての時間をかけてください。大学はクリエイティビティな場なので、こんなくだらない受験勉強のやり方は絶対にしてはいけません。
復習を重視すべき生徒
勉強が苦手な生徒は、復習重視どころか予習は絶対してはいけません。予習していると大学受験失敗します。
今まで予習を頑張っている生徒で成功した人はほぼいません。予習なんかしてる暇があったら復習した方が絶対にいいです。
学力がない生徒が予習をした場合、間違って理解する部分が多く出てきます。間違った理解のまま授業を受けると、混乱が広がりまともに先生の話が聞けません。
だんだん収集がつかなくなって、ぼーっとし始めます。結果的に授業が理解できないまま、次の授業、次の授業と進んでいくため、もはや追いつけません。完全なる悪循環におちいります。
予習は百害あって一利なしです。お子様が予習頑張ってやってるようでしたら、復習をすすめてください。
「学校の先生が予習やって来いといってる、やらないと怒られる」と言っても、将来のために予習は放棄すべきです。
塾や予備校で予習を進める講師はあまり見たことがありません。なぜなら大学受験までの時間は限られているため、絶大な効果のある復習をしないと間に合わないからです。
たしかに、塾や予備校で生徒が予習をしてくると、生徒の理解がいいので(仮に間違った理解をしていても)、講師としては授業を進めやすい。そして、分かりやすい授業だと周りからの評価も上がりますが、どうしても受験の結果につながりにくいです。
floccinaucinihilipilification、フロクシノーシナイヒリピリフィケイション、まだ言えない人は頑張ってください(笑)ちなみに意味は「無価値とみなすこと」。